ALICE de cafe 我が子のように真心こめてつくるサンドイッチ
乗鞍で、地元民に根強いファンがいるカフェを知っていますか?
美味しいパンや季節の果物をつかったケーキなどを焼いている乗鞍高原のカフェ、ALICE de cafeさん。 ペンションありすさんに併設するカフェです。
GiFT NORiKURAはALICEさんから不定期でハムチーズサンドを仕入れています。店頭に出されると、すぐに完売してしまう日もあるほど人気のサンドイッチです。
私はこれまで何度も ALICE さんのパンやケーキをいただいています。その度に、美味しい!というだけではない、 何とも言えない あったかい気持ちになるのです。この気持ちはどこからくるのかな……と不思議に思っていました。
そんなわけで、今日は ALICE さんを訪れ、お話を伺ってきました。
明日から自分で焼く!と始まったパン作り
当日出迎えてくださったのは、ペンションありす・ ALICE de cafeを営まれているご夫婦、上岡和好(かみおかかずよし)さんと清美(きよみ)さん。ちょうど、その日に焼くパンの一次発酵が終わり、成形が始まるところでした。
厨房にお邪魔すると、まとまったパン生地から次々と形にしていく和好さんの姿が。なんだかリズムが良くて、見ていて楽しくなってきます。和好さんがパンの成形をしている間、清美さんからお話を伺いました。
清美さん
「パンは、父さん(和好さん)が専門で焼いているんです。パンを焼き始めたきっかけは、ある日、突然父さんが『明日から自分で焼く!』と言い出して……。」
お二人がペンションを始めたのは、30年ほど前。以前、神奈川に住んでいたころから、年に2~3回の頻度で、 乗鞍をバイクツーリングで訪れていたそうです。その際に宿泊していたのが、 ALICE さんの 前オーナーさんが営まれていたペンション。通う度に乗鞍が好きになり、いつか移り住みたいなと思っていたところ、前オーナーさんから声がかかり、3人のお子さん達を連れて乗鞍へ。ご夫婦でペンションを始めることになりました。
開業してしばらくは、乗鞍内にあったパン屋さんからパンを仕入れていたそうですが、その後、そのお店が閉店してからは、いくつかのお店を試してみたのだとか。でも、心底納得のいくパンに巡り合うのは難しかったそうです。
そして、「自分で焼く!」と決めて ALICE さんがパン作りを始めたのは、15年ほど前のこと。ペンションで提供する食事パンとして、お客様に焼きたての美味しいパンを食べてもらいたいという想いからでした。
そうは言っても、 いざ「自分で作る!」となると、簡単なことではありません。
清美さん
「自分たちで作ると決めたはいいけれど、最初は試行錯誤でした。パンを焼く修行をしていたわけでもないし。でも続けているうちに段々コツをつかんで。気づいたら今の形になっていました。昔、父さんは整備士をしていたんですけど、車いじりとパンづくりは、どこか通じるものがあったのかも。なんだか性に合っているみたいで。」
シンプルなパンだからこそ、素材にこだわりを
ALICE さんの作るパンは、 どれもシンプルで、それでいて味わい深いパン。食事を引き立たせるようなシンプルなパンだからこそ、美味しく味わえるようにと素材にこだわりをもっておられるようです。
小麦粉は国産のはるゆたかブレンドを使用し、調味料にはオーガニックシュガーや、天日塩、トランスファットフリーのショートニング※1を使用。 卵は使っていません。一つ一つ素材を選んで、身体に優しい&美味しいものを提供したいという想いが、素材選びに表れているように感じました。
※1トランスファットフリーショートニング… 人体に影響があるとされているトランス脂肪酸を含んでいない無水素添加製法によって作られたショートニング
そんな風に ALICE さんで丁寧に焼かれるパンは、 次第に乗鞍内で評判になっていきました。近隣の宿や地元の方からもパンの注文が入るようになって、現在はシンプルなパン以外にも、日によってはあんパンやチーズパンなども作るように。春に乗鞍の野に生えるよもぎの新芽を摘んで生地に練り込む、よもぎ入りのパンなど、人気のパンも生まれました。
無理なく、無駄なく焼かれる ALICE パン
清美さん
「でも、パンは注文が入ったときだけ焼く形だし、カフェも自分たちのできる時にしかOPENしていなくて。お客様には申し訳ないんだけど。」
そう話してくださった清美さんは、パン以外のカフェメニューや、ペンションでお客様に出される食事作りを担当しています。季節の果物を使ったタルトやケーキなど、清美さんの作るお菓子もまた、乗鞍に住む多くの方の楽しみになっています。(もちろん私もファンの一人です。)
清美さん
「 ALICE のパンは、注文が入ったときにつくるスタイルなので、毎日作りすぎて、パンを無駄にしてしまうということはないですね。」
街のパン屋さんは、毎日の廃棄の量がすごいと聞きます。たくさんの種類のパンをズラリとたっぷり並べないと見栄えがしないから、実際に売れる量以上につくり続けるのが常。でも、そんな風にはできないし、したくないと考えた上岡さんご夫婦。 営業日は、パンの注文が入った日。無駄なく、 無理なく、ペンションを営みながら、自分たちのできる範囲で……。そんな気負いのないリラックスした雰囲気が、もしかするとパンの美味しさにふっくらとあらわれているのかもしれません。
清美さん
「地元の方にも、普段使いで食べていただけていることが、ありがたいです。」
そう話す清美さん。いやいや、この乗鞍という山間地の暮らしの中で、ALICE さんの美味しい焼きたてパンを食べられることがありがたいんです!と逆に私は言いたくなってしまうのでした。
我が子のように、行く末を案じる
それぞれで得意なこと・好きなことを活かして、 お客様に喜んでもらえるものをペンションとカフェで提供しておられる和好さんと清美さん。お話を伺いながら、お二人の肩の力を抜いた、無理のない雰囲気が印象的で、思わず私もすっかりリラックスしてしまいました。
取材から帰り、しばらくすると「言い忘れたことがあります!」、と清美さんからあるメッセージが届きました。
清美さん
「 (GiFTにサンドイッチを)納品後、売れたかどうか私たち夫婦も心配なんです。買い取ってもらっているから残ったら申し訳ないっていうのが一番なんだけど、 旅立っていった子が心配というか、中学を卒業して高校へ通うのに娘が乗鞍から旅立った時の感覚と似ている…大げさだけど(笑) どうしてるだろうか、ちゃんと食べてるだろうか、遅刻しないだろうか…ってやきもきする気持ちと同じで、お客様の手に無事に渡っただろうかと。この気持ちは理屈じゃないんだよねっていうような話を父さんとしたんです。娘とサンドイッチを引き合いに出すのもどうかと思うけど、そんなことをいつも思っています(笑) 」
このメッセージをいただき、和好さんと清美さんは、リラックスして作っているだけではもちろんなくて、一つ一つのパンを我が子の姿に重ねるかのように、真心をこめて作られているのだなということが伝わってきたのでした。なんとあったかい親心。そこにこそ、私が ALICE さんのパンやケーキをいただくたびに感じる、ほくほくとしたあったかい気持ちの秘密がある……、そんな気がしてなりません。
ALICE さん、いつもありがとうございます!
そして、貴重なお話、ありがとうございました。
GiFT NORiKURAでは 、ALICE さんのハムチーズサンドを不定期でご提供しています。
入荷は不定期ですので、お店に並んでいたらラッキー!
お店で見つけたら、ぜひ ALICE さんの真心のこもった美味しいサンドを味わってみられてはいかがでしょう。
そしてまた、「 ALICE de cafeさんに行ってみたい。」、「 ALICE さんのパンを購入したい。」という方は、 ALICE さんのFacebookページでOPEN情報やメニューをご確認の上、足を運んでみてください。
お二人が、 あったかくておいしいALICEの子ども達ときっと待っています。
ペンションありす・Alice de Cafe
〒390-1512長野県松本市安曇4039-4
TEL. 0263-93-2400
FAX. 0263-93-2744
https://www.facebook.com/ALICEdecafe/
(記事:Ayako Momiji)
僕も宿泊した時、朝に出されるパンを必ずおかわりします。
我が子の様に真心こめて、
ホントいただいていてそう感じます。
それに素晴らしい記事ですね、読んでいてほんわかしてきました。
パン同様 良い記事に会うと 嬉しいものです
きくにいさん
嬉しいコメントありがとうございます!
アリスさんのパンには素敵な魔法がかかっていますよね。
またぜひ、乗鞍と乗鞍の美味しいものを味わいにいらしてください!!