富田農園 生命力あふれるブルーベリー

GiFT NORiKURAで人気のジェラートの一つ、『アルプスブルーベリー』。
ブルーベリーそのものを味わっているようで、甘酸っぱくて美味しい!とOPEN当初から人気です。

ジェラートの原料にしているブルーベリーは、乗鞍と同じくアルプス山岳エリアにある、乗鞍高原のおとなりの地域、『奈川』から仕入れています。
初めてそのブルーベリーを食べた時、あまりにも美味しくて、私もびっくりしてしまいました。

今回は、奈川でブルーベリー栽培をしている富田農園さんを訪ね、お話を伺ってきました。

林を開拓するところから始まったブルーベリー栽培

ブルーベリーの収穫時期は例年7月下旬から8月下旬まで。 取材に訪れたのは10月後半でした。
そのため、ブルーベリーはすっかり収穫を終えて、静かな畑になっていました。

ブルーベリーを計量中の富田さん
(撮影: 2019年8月 )

お話を伺ったのは、富田農園のご主人、富田健司(とみたけんじ)さん。
インタビュー場所は農園の入り口にある東屋でした。
そこで富田さんはブルーベリー栽培を始めてから今までの事を話し始めてくださいました。

富田さん
「もうブルーベリーを始めて15~16年になるかなぁ。その前は、ここら一帯は林だったんです。大きな木もたくさんあって。奈川は観光地と言っても見てもらうものは少ないし、寂しくなっていくばっかりだし、奈川で何かお客さんに喜んでもらえるものはないかなと。それで、ここら一帯が開けたら、山の景色もきれいに見えるし、いいんじゃないかなぁと思って。それで仲間と一緒に木を伐って開墾して、なんとか開けた農地にしたんです。」

ブルーベリー園からの眺め
( 富田ファームさんの instagramより )

長年、土木系の会社で勤めてこられた富田さん。 退職を期に、ご自身が生まれ育った奈川のために何かできることはないかと、お仲間の力を借りながら開墾を始められたそうです。それにしても現在広がる広大な農地を開墾するのがどんなに大変なことかは想像に難くありません。すごい熱意とパワーです。

富田さん
「最初は、土地が開けたら、花でも植えて人が集まれる場所にしようかとも思ったんですけど、あるとき山形村でブルーベリー栽培と摘み取り体験をしている人のところへ行ったときに、摘みたてのブルーベリーを食べて、これはいいなと思って。それでブルーベリーを始めようと思ったんです。」

そうは言っても、ブルーベリー栽培の経験はそれまで全くなかった富田さん。ご自身で勉強しながら、少しずつ木の本数を増やし、 3年かけて 約1300本のブルーベリーの木を栽培するようになったそうです。

みずみずしいブルーベリー
(撮影: 2019年8月 )

富田さん
「ここで育てているのはハイブッシュ系と言って、寒さに強いブルーベリーなんです。 秋~冬季にある一定量の低温に晒されないと、翌春、正常に発育しないと言われています。だから冬の寒さが厳しいここの環境には合っている。でも 実のつき方や味は、その年の天候によって左右される部分が大きいので、なかなか難しいときもあって。でも、今年はかなり良かったです。」

お話を伺いながら、うんうん、と頷いてしまった私。実は今年の夏、私もGiFTスタッフに同行して富田さんのブルーベリー園で摘み取りを体験させてもらったのですが、あまりの美味しさにびっくりしてしまいました。フレッシュさも去ることながら、甘酸っぱさとジューシーさとなんとも言えない美味しさに、思わずみんなで顔を見あわせてしまうほどでした。

富田農園さんでは、夏の時期にブルーベリーの摘み取り体験を受け入れています。夏休みに休暇で訪れるファミリー層などに人気なのだそうです。

GiFTスタッフで収穫した時のようす

自然の力で育てるブルーベリー

収穫はいわば美味しいとこどりですが、では栽培中はどんなことが大変なのでしょうか。

富田さん
「何が大変って、剪定と草刈りですね。ここのブルーベリーの剪定は3月頃。春になる少し前の寒い頃にするんですが、本数が多いから時間もかかってね。それと草刈りは年に3回はやらないとなんだけど、農地が広いからこれまた大変で。人手が必要です。自分は冬以外、朝から晩まで畑で過ごしてるようなもんで。この15年、本当に忙しかったなぁ。」

富田さんは、ブルーベリー以外にも、信州の伝統野菜にも指定されている花豆や保平かぶ、それから、もろこしも栽培されています。

寒暖差の大きい奈川で育つモロコシは甘みが際立つ
(富田ファームさんの instagramより)

そんな富田さん、あまりにも畑仕事が忙しすぎて、一時期は体調を崩されたこともあったのだとか。現在は、ご家族のサポートもあり、元気にされています。(でもどうかお大事に!)

富田さん
「あとブルーベリーで大変なのは、虫ですね。木に虫がつくので、それには手がかかります。見回っているときにカイガラムシなんかがついていたら、手でつぶしたりしています。それと、蜂も実をつついてしまうので、厄介ですね。それでも、農薬は使っていません。」

農薬のほか、化学肥料もほぼ使っていないという富田さん。できるだけ自然の力で作物が育つようにと気を配っておられます。ブルーベリーを味わった時に感じた、びっくりする美味しさは、そこにほとばしる自然の生命力からきているのかもしれません。ちょっと変な表現かもしれませんが、アルプスの生き生きとした命を食べてるなぁという感覚があるんです。
いずれにしても、安全で安心なものを口にできるのは、ありがたいことですね。

摘みたてのブルーベリーはひときわ美味しい
(撮影: 2019年8月 )

お客様の「美味しい」が聞きたくて

お話を伺って、美味しいブルーベリーを栽培するには、たくさんのご苦労があることが 改めて分かりました。そんな中で、富田さんがブルーベリー栽培をしていてよかったなと思うことはと伺うと……。

富田さん
「やっぱり、来てくれたお客さんに、摘み取りをして食べてもらったときに、パッと表情が変わって『美味しい!』と言ってくれたり、ここで楽しんでいる姿を見られることが嬉しいですね。以前、海外の方がうちのブルーベリーを食べて『こんなに美味しいブルーベリーは食べたことがない!』と言ってくれたんです。あれも嬉しかったなぁ。」

そんな富田さん、今は摘み取ったブルーベリーを加工できる設備を準備中だったり、花や木を植えて農地周りを綺麗にすることに忙しくしているのだそうです。

富田さん
「そうそう。この目の前の池は、人の手も借りながらだけど、自分で作ったんです。夏に岩魚を放して、お子さん達につかみ取りをしてもらって、この東屋で焼いて食べてもらったりするためにね。 この東屋も人の手も借りたけど、実は自分で作ったんです。 あとは少しずつだけど、敷地内にコケモモや芝桜を植えたりして綺麗にしています。夏にここに来て、少しでも楽しんでもらったり、ゆったりしてもらえたらなと思って。」

富田さんの作った池で岩魚のつかみどりをする子ども達

淡々と話してくださる富田さん。穏やかなお人柄なのに、 実はエネルギッシュ。何でも自分で試し、自分の体を動かして、より良いものを作っていく……、その精神は、まさに開拓者そのものです。

つかみ取りをした岩魚は東屋で塩焼きできる
(富田ファームさんの instagramより)

富田さん
「奈川というと、昔から蕎麦が有名だけど、それだけじゃ寂しいし。奈川に遊びに来る理由をここにつくれたらなと思ってやってます。」

じっとしていても、 地域の魅力は いつか誰かに見出してもらえるわけではない。
自分の手足と目と頭と心をつかって、働こう。
目の前のことに誠実に取り組もう。
一歩でも二歩でも先へ向かって。
今より良い未来になるために。

インタビューの中で、そんな風にはっきりとおっしゃった訳ではないし、富田さんは淡々と目の前のことに取り組んでいらっしゃるだけなのに、そんな熱いメッセージが伝わってくるのでした。

富田農園さん、アツイです。

朝露にぬれる美しいブルーベリーたち

富田さん、貴重なお話ありがとうございました。
また来年も美味しいブルーベリー、楽しみにしています!

GiFT NORiKURAでは、富田農園さんからフレッシュなブルーベリーを仕入れてジェラート『アルプスブルーベリー』をご提供しています。

富田ブルーベリー園さんのブルーベリーを使用した
「アルプスブルーベリー」

ご用意しているのは、甘めがお好みの方に向けたお砂糖入りと、お砂糖不使用で蜂蜜でほんのり甘さを加えた2種類です。生命力あふれる フレッシュでなブルーベリーをふんだんに使ったジェラート。まだお試しでない方はぜひ。

また、アルプスブルーベリーはのりくらヤギミルクとの相性も抜群なので、ヤギミルクとのダブルでお召し上がりいただくのもお勧めです。

「アルプスブルーベリーとのりくらヤギミルクのダブル」

また、富田農園さんでは、夏の時期にブルーベリーの摘み取り体験や全国発送をしています。下の画像は今年行われた摘み取り体験の案内です。来年の夏のご予定にいかがでしょうか。


また来年の摘み取りについては、詳細分かり次第、こちらにも情報アップいたします。
詳しいお問い合わせは、冨田ブルーベリー園さんへどうぞ。


富田農園
〒390-1611松本市奈川3363-1
0263-79-2250
090-5561-0420

(記事:Ayako Momiji)



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