なっちゃんいちご wishあふれるサマープリンセス

2019年夏、乗鞍に誕生した高原いちごを知っていますか?

「なっちゃんいちご のりくら」

それはGiFTで人気のいちごのソルベ「サマープリンセス」を作るための、貴重な材料を提供してくれている、乗鞍の若きいちご農家さんです。

サマープリンセスというのは、なっちゃんいちごで栽培しているいちごの品種。
私はひと目そのいちごを見た時に、

「まるできらっきらの宝石みたい!」

そう思いました。でも、見た目だけでなく、お味もきらっきら。その甘酸っぱさとジューシーさは、なんだか生命力がほとばしっているかのようです。

きらきらと輝くようなサマープリンセス

そんな貴重ないちごはどんな風に生まれたのでしょう。生産者さんの「なっちゃん」こと斉藤奈つ美さんを訪ねてお話を伺いました。

生命力いっぱいの なっちゃんいちご

取材に伺ったのは、乗鞍高原の千石平地区にあるペンション「アルプホルン」さん。奈つ美さんのご両親が、奈つ美さんと奈つ美さんのお兄さんと一緒に営まれているお宿です。

なっちゃんいちご 奈つ美さん
なっちゃんいちごのマークをプリントしたTシャツを着て出迎えてくれた 斉藤奈つ美さん。

奈つ美さん
「畑は宿のすぐ裏にありますよ。」

宿の裏手にある畑に連れて行っていただくと、そこには様々な作物が育てられていました。

斉藤さん一家は、宿で出されるお料理に自家製の野菜をふんだんに使っておられます。そんな風に、顔の見える人に育てられた 採れたてのフレッシュな食材をつかった お料理を食べられるって、とても贅沢。
(実は、乗鞍では斉藤さんのように自家製のお野菜を使っている宿も多く、皆さん当たり前のようにされていますが、そこには特別で大切な温もりがこめられるように思います。私が乗鞍の方々に尊敬する点のひとつでもあります。)

宿の裏庭からつながる奥の敷地に広がる斉藤さんの畑

なっちゃんいちごのいちご畑は、その畑の一角にあり、専用の大きなビニールハウスの中に広がっていました。今年のゴールデンウィーク明けに建てられたという、そのハウスの中に入ると、元気に生い茂るいちご達の様子にたちまち圧倒された私。なんだか、その様子を見ているだけで、ムクムクとした湧き上がるエネルギーを感じます。

いちご畑
ハウスの中のようす。元気ないちごの葉がわさわさと生い茂っていた。

奈つ美さん
「すごいんですよね、このいちご達は。何だかものすごい生命力があるというか。」

奈つ美さんのはつらつとした元気な印象と、そのいちごのわきあがるような生命力が、なんだか私の中でリンクするような気がしました。奈つ美さんの元気がいちごに伝わるからなのか、いちごの元気が奈つ美さんに伝わるからなのか……。

なっちゃんいちごが生まれるまで ~幼少期から料理人時代~

そんな奈つ美さんは、乗鞍高原で育ちました。乗鞍にある大野川小中学校を卒業後、松本の高校に進学。 高校の3年間は親元を離れ、松本市内でお兄さんと一緒に生活されたのだとか。高校生で親元を離れて自炊して生活するだなんて、すごい。私の甘ったれの高校時代には考えられない逞しさだなとつくづく尊敬してしまいます。

幼い頃から厨房と畑がいつも身近にある環境で育った奈つ美さんは、高校卒業後は料理の専門学校へ進学するために東京へ。

奈つ美さん
「小さい頃から料理は好きで、お菓子なんかもちょこちょこ作っていました。」

専門学校で、和食・洋食・中華・お菓子と様々な料理を学んだ奈つ美さんは、卒業後、神奈川県にある結婚式場で料理人として歩み始めます。

奈つ美さんが働き始めたのは、オードブルからデザートまで、ひとつひとつこだわりをもったフランス料理のメニューを提供している ブライダル業界大手の結婚式場でした。

奈つ美さん
「すっごく忙しい職場でした。毎日、料理のことで頭がいっぱいになって他の事は考えられないくらい、没頭していましたね。大変だったけれど、すごく鍛えられたし、いい経験になったなと今では思います。」

競争の激しいブライダル業界の中でも、激戦区の横浜・みなとみらいエリアにあるその結婚式場で5年間勤めた後、松本市内の結婚式場に移った奈つ美さん。しばらく勤めたのちに、更なる修行のため、単身フランスへと旅立ちました。

奈つ美さん
「エージェントを通してレストランを紹介してもらいました。南仏のニースという海の近くにある町の当時一つ星だったレストランです。」

サラッと言われましたが、「南仏」、「ニース」、「海の近くにある街」「星付きレストラン」……そのキーワードを聞いて、フランス好きの私はよろめきそうになってしまいました。
それはさておき、「とことんやりたい!極めたい!」に真っすぐな奈つ美さん。素敵です。

なっちゃんいちごが生まれるまで ~乗鞍へ戻り、いちご農家さんと出逢う~

奈つ美さんがフランスでの修行から帰ってきたのは27歳の時。乗鞍へと戻ってこられました。

奈つ美さん
「もともと、いつかは乗鞍に戻ってこようと思っていたんです。でも、乗鞍での先々のことはどうしようかなと迷っていました。」

そんな奈つ美さんは、家業のペンションを手伝う傍ら、まずは冬の間にできることをと、 スキーの腕前を活かしてインストラクターとして働き始めます。その働き始めた乗鞍のスキー場で、奈つ美さんは、あるいちご農家さんと出会ったのでした。

奈つ美さん
「スキー場の先輩に、 梓川でいちご農家をしている方がいたんです。その方に『乗鞍に合いそうな夏のいちごがあるんだけど』と言われ、話を聞いているうちに段々面白そうだな、やりたいなと思ったんです。」

乗鞍に合いそうないちご、それが、「サマープリンセス」。高地栽培に適したいちごです。

スキーシーズンが終わり春になると、奈つ美さんはその先輩のいちご農園へと栽培のお手伝いに行きました。その先輩の元で、一からいちご栽培の仕方を教わったそうです。

目をかけ、手をかけ、大事に育てる

奈つ美さん
「ハウスを建てて設備を整えるのも大変でしたが、そこから育てていくのもまた大変で。一年目なので、予想のできない色んなことも起こるし、無事に実がなるかどうかがとにかく心配でした。」

装置と奈つ美さん
ハウス内に設置された装置。この装置から水や栄養を苗へ送り出している。

お話を伺っている間も、プチプチと余分なランナー(いちごのつる)を切ったり、花に虫がついていないかチェックしたりしていた奈つ美さん。さりげない作業のように見えますが、こうした地道な作業の積み重ねがいちごの出来にとっては大切だと言います。

畑と奈つ美さん
ランナーを切っているところ。この中腰の姿勢での作業は結構大変だそう。

奈つ美さん
「ランナーは 伸びるスピードが速いんです。だから、気づいたときに余分なものをとっておかないと、じゅうぶんな栄養が実にいかなくなってしまうので、こまめに見回りして取っているんです。」

畑と奈つ美さん
花に虫がついていないかどうかチェックする奈つ美さん

それから取材中、奈つ美さんは、ハウスの中に入り込んだ蜂を追い出していました。

奈つ美さん
「蜂が入り込むと、いちごをかじって食べてしまうんです。この夏の間にも、一時期だいぶやられてしまいました。」

えー!蜂っていちごを食べるんですね。びっくりしました。
奈つ美さんが乗鞍で育てているサマープリンセスは8月~10月が収穫期。 取材にうかがったのは、9月の終わりでした。 ちょうど次の収穫を待つ秋のいちごたちが、実を蓄えている大事な時期。なるほど、いちごを見つめる奈つ美さんの表情も真剣なわけです。

畑と奈つ美さん

奈つ美さん
「始めたばかりの時は、先が見えなくて、本当に実がなってくれるのかなあと不安で不安で。 でもこの夏、実際に実がなってくれて、本当に嬉しかったです。 そして食べた方が美味しいと言ってくれると更に嬉しくて。」

そう話す奈つ美さん。夏いちごの出荷が始まり、Facebookなどで出荷情報を知らせると、近隣の宿から次々に注文が 入ったそうです。
いちご自体の評判も良く、なかにはリピートして毎週頼んでくれる宿もあるのだそう。それは食べてみて本当に納得。この甘酸っぱさとみずみずしさは、他のいちごにはない美味しさと元気が詰まっているような気がするのです。

奈つ美さん
「これから収穫期に入る秋いちごは、夏いちごに比べて味が濃くなっていくので、私もすっごく楽しみなんです。」

秋いちごサマープリンセス
収穫までもう少しの秋いちご「サマープリンセス」

もともと平地に比べて夏でも寒暖差の大きい乗鞍。だから平地で栽培される夏いちごに比べて甘みが強いわけなのですが、 寒暖差がより激しくなってくる秋のいちごは、更にグンと甘くなってくるのだとか。これは食べないわけにはいきませんね。

いちご試食
ちょっとお先に味見をさせていただきました。んー!美味しい!!

乗鞍の未来に向けて 乗鞍といちご栽培と共に進んでいく

奈つ美さん
「来年はもう一棟、ハウスを増やせたらなって思っているんです。」

畑と奈つ美さん
畑をながめながら、来年のことを話す奈つ美さん

収量を増やし、乗鞍でのいちご栽培を少しずつ発展させていきたいと意気込む奈つ美さん。
そのベースには、乗鞍を想う気持ちがありました。

奈つ美さん
「乗鞍には、晴れの日に見て頂いたり体験していただけることはたくさんあるけれど、雨の日にできることは限られているので……。将来的には、ここでいちご狩り体験ができるようになったらいいなって思っているんです。採りたてのいちごは本当に美味しいし、子ども達にとっても楽しめる体験になるかなと思って。」

乗鞍でいちご狩り……。聞いているだけでも楽しそうです。大人も子どもも夢中になって楽しめる人気の体験になるだろうなと想像できます。奈つ美さんの話を伺っていると、実現する日はすぐ近いような気がしてなりません。なんだか、苺のつる・ランナーのような勢いを感じます。

そして実は、それ以外にもやりたいことが奈つ美さんの中にはあるようで、これまで培った料理の腕前を活かして、いちごを使った料理やデザートの提案などもしていきたいのだと語ってくださいました。もう、楽しみすぎます。

いちごの花
サマープリンセスの花。かわいいけれど、かわいいだけじゃない。なんだか強い意思のようなものを感じます。

今回の取材を通して思ったこと。
好きなこと、行ってみたいところ、やってみたいこと、人にはたくさんのwish(希望)がありますが、それらのことに今できることから一つずつ取り組み、自分の足で一歩一歩進んでいく奈つ美さんの姿は、見ているだけで清々しく、元気をもらえる気がしました。

乗鞍に降り注ぐ太陽を浴び、清涼な空気のなかですくすくと育ち、命の輝きを放つサマープリンセス。
それはまさに、wishをひとつひとつ叶えて進んでいく奈つ美さんの姿に重なります。

ふと畑に目をやると、乗鞍の豊かな環境のもと、奈つ美さんの手で大事に育てられ、希望(wish)にあふれた乗鞍のいちごが、皆さんの元に届けられることを今か今かと待ってるかのようでした。

畑と奈つ美さん
まだまだこれから、なつみさんの挑戦は続きます。

奈つ美さん、貴重なお話、ありがとうございました!

いちごのソルベ「サマープリンセス」

GiFT NORiKURAでは、サマープリンセスの収穫期間にあたる夏~秋限定で、いちごのソルベ「サマープリンセス」を提供しています。収穫したてのいちごをふんだんに使ったソルベは、鮮やかな色をしていてフレッシュな美味しさを味わえる逸品。さっぱりとした甘さなので、ヤギミルクのジェラートとの相性もとってもいいんです。

また、なっちゃんいちごで栽培されている生のいちご「サマープリンセス」そのものが気になる!入手したい!という方は、奈つ美さんがFacebookやInstagramで出荷情報などの情報発信をしておられるので、そちらをチェックしてみてください。

なっちゃんいちごロゴ

なっちゃんいちご のりくら
〒390-1520 長野県松本市安曇4030−3
Facebook https://www.facebook.com/nacchan.norikura/
Instagram https://www.instagram.com/fraise723/
TEL: 0263-93-2666 (ペンションアルプホルン)

(記事:Ayako Momiji)

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